逝きし世の面影 渡辺京二著を読みました!父親からのオススメの著です。

思い出せ大和魂!
『(江戸時代に海外から来た人のコメント)この町でもっとも印象的なのは男も女も子供も、みんな幸せで満足そうに見えるということだった。p39』
→幸せで満足に生活できる、高い魂の水準を感じます。
『この民族は笑い上戸で心の底まで陽気である。日本人ほど愉快になり易い人種は殆どあるまい。良いにせよ悪いにせよ、どんな冗談も笑いこける。p76』
→そして笑い。人生に笑いが満ちているとは。
『人々は農家に招き入れて、庭の一番美しい花を切り取って持たせてくれ、しかも絶対に代金を受け取ろうとしないのだった。善意に対する代価を受け取らぬのは、当時の庶民の倫理だったらしい。p80』
→見返りのない純粋な善意。
『彼らの無邪気、率直な親切、むきだしだが不快ではない好奇心、自分を楽しんだり、人を楽しませようとする愉快な意志は、われわれを気持ちよくした。一方婦人の美しい作法や陽気さには魅力があった。さらに、通りがかりに休もうとする外国人はほとんど例外なく歓待され、「おはよう」という気持ちの良い挨拶を受けた。p84』
→楽しもうとする心、愛を配る挨拶。
『アンベールは「江戸庶民の特徴」として「社交好きな本能、上機嫌な素質、当意即妙の才」をあげ、さらには「日本人の働く階級の人たちの著しい特徴」として、「陽気なこと、気質がさっぱりして物に拘泥しないこと、子供のようにいかにも天真爛漫であること」を数え上げる。p86』
→子供の頃のピュアな心を忘れてない、素晴らしさがあった!!
『そこには、ただ喜びと陽気があるばかり。笑いはいつも人を魅惑するが、こんな場合の日本人の笑いは、ほかのどこで聞かれる笑い声よりも、いいものだ。彼らは非常に情愛深く親切な性質で、そういった善良な人達は、自分ら同様、他人が遊びを楽しむのを見てもうれしがる。p88』
→日本人よ思い出せ、高尚な性質を!楽しむ心を!一体現代人は自分を犠牲にしてどこにいこうっていうのだろう。
『家具といえば、彼らはほとんど何も持たない。一隅に小さなかまど、夜具を入れる引き戸つきの戸棚、小さな棚の上には飯や魚を盛る漆塗りの小皿が皆きちんと並べられている。これが小さな家の家財道具で、彼らはこれで充分に、公明正大に暮らしているのだ。ガラス張りの家に住むがごとく、何の隠し事のない家に住む限り、何ひとつ欲しがらなかったあのローマ人のように-隣人に隠すものなど何もないのだ。p120』
→あ、ミニマリストだったんだ。昔の日本人って。
『木綿着数枚で春、秋、夏、冬と間に合ってしまうのだ。p129』
→真似したいミニマリストっぷり。
『誰彼となく互いに挨拶を交わし、深々と身をかがめながら口もとにほほえみを絶やさない。…その住民すべての丁重さと愛想の良さにどんなに驚かされたか。…地球上最も礼儀正しい民族であることは確かだ。p171』
→ブラボーです!
『満足を味わいながらじっと視線を注ぐような物品が、眼前にはほとんど存在しないような絶対の清浄と洗練こそが、日本人が努力して止まない屋内装飾の要諦なのだと悟った。畳、襖紙、壁、杉板張りの天井ーそれらの中間色の色調がかもし出す雰囲気は憩いを与え、部屋を極度に静かなかつ洗練されたものにするので、このような造作の部屋は、外部から持ち込んだ物品によって装飾する必要がほとんどない。そして、そのような簡素な部屋に花一輪、清雅な一幅の絵、陶器の一片、あるいは古い青銅製置物が置かれるとき、部屋自体と器具類の間には、驚嘆すべき調和と対照が生まれる。p226』
→茶室みたいなんでしょうね。とにかく洗練された生活。

『日本人は男にふさわしく物おじせず背筋をのばした振る舞いを見せ、相手の顔を直視し、自分を誰にも劣らぬものとみなす。もちろん役人は大いにそうだし、下層の者だって多少はそうだ。p289』
→自分も神であるし他人も神であるという態度の現れなんでしょうね。
『風呂を浴びるとか化粧をするとかの自然な行為をする時に限って人目をはばからないだけなのである。p303』
→これは結構びっくりしました。電車の化粧問題で色々気にされる方いるじゃないですか。この昔の日本人の本を読んでて、西洋化、文明化の速度に人々の心が追いついてないのかしらと思いました。
『私ははっきりという。羞恥心は1つの悪習である、と。日本人はそれを持っていなかった。私たちがそれを彼らに与えるのだ。p304』
→上の文章にも繋がって、羞恥心を適応的でない形で(羞恥心は常に適応的でないし有用なエッセンスがこの心にあるとは思えませんが)反映されたのが現代なのか。そして心の病(羞恥心自体が心の病ですが)が増えたと。

何にしろ羞恥心はエネルギーをすり減らすので、断捨離したい方は1番に捨てていきたいものですね。羞恥心の捨て方は色々あって1日1回は必ず今までにやったことない奇妙なことをやることとか有用ですよ。なかなか想像力も使うので奇妙なことを思いついてやるっていうのは頭の活性化にもなっていいかもしれません。私もやってみようかな。

2に続きます。

アップが遅れた先週のお花。

エレガント。

時にはこのように生きたいですね。

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