アラン、続きです。

『嘘や冗談でなく、私は言おう。少しは自分を愛し、自分と仲良くすることが必要だと。…「またしてもいやな雨だ」などと言ったところで、何の役に立とう。雨滴も、雲も、風も、どうもなりはしない。そんなこと言うくらいなら、「ああ、結構なおしめりだ」と言わないのか。私はあなたの口からその言葉を聞いたとする。そのように言ったからとて雨滴はどうにもなるまい。それは事実だ。しかし、そのように言うことはあなたにとっては好都合なのだ。体全体がふるいたち、本当に暖まるだろう。ほんの少しのよろこびによる体の動きでも、こういう効果があるのだ。そして、雨にあたっても風邪をひかないようにするには、こうすればいいのだ。それからまた、人間たちも雨同様にみなすがいい。それは容易じゃないと言うかもしれない。ところが容易なのだ。雨に対してよりもずっと容易なくらいだ。なぜかといえば、雨に対しては微笑は役に立たないが、人間たちに対しては大いに役立つからである。そして、微笑のまねをしただけでも、もう人々の悲しみや悩みは弱くなる。p199』

アランの幸福論 齋藤慎子訳 を読みました。2

にも一度抜粋を。

その肉付けです。

微笑むことの重要性も。私自身も微笑むと苦々しい氣持ちがパッとどこかに行くのを感じます。

『叫び声は子ども自身に害を与え、さらにいっそう苛立たせる。おどかしたり声を張り上げたりすれば、なだれはいっそう大きくなる。怒りを養うのは怒りそのものなのだ。だからそういうときには、ただ撫でてやるとか、目先を変えてやるとか、身体的に行動することが必要なのである。こういう場合に、母親の愛情というものは、赤ん坊を抱いて散歩したり、うまくだましたり、静かに揺さぶったりして、ほとんど誤ることのない知識を示すものだ。…ところで、赤ん坊のかんしゃくでもだれのかんしゃくでも、それはいつも筋肉の一種のひっつり状態なのだから、昔の人たちが言ったように体操と音楽で手当てすることが必要だ。p201』

→反省。叫んでいますから。

撫でる、目先を変える、散歩に行く、行動を!!

『しかし私の考えでは、幸福の秘訣の一つは自分自身の不機嫌に対して無関心でいることだと思う。…「この怒りは、なくなりたいときには、ひとりでになくなるだろう」と言うことだ。p208』

→ペアトレも確かそんな感じ。引き寄せの法則もそう。もちろん人生で起こること全てもそのような態度であればご機嫌が蔓延するでしょう。しかし無理に排除するでもなく、なくなりたいときはひとりでになくなる、とてもよい示唆。

御子の不機嫌にもたらされる私の不機嫌にも無関心でありたい。

『人間には、自分以外にはほとんど敵はいない。人間は、自分の間違った判断や、杞憂や、絶望や、自分にさし向ける悲観的言動などによって、自分自身に対していつも最大の敵なのである。ひとりの人間に向かって、ただ「あなたの運命はあなた次第だ」と言うだけで、もう十分に十フランの価値がある忠告だ。p210,211』

→敵がいると思えば何でも敵になる、味方だらけだと思えば何でも味方になる。おお、私たちの思念の強さよ!

敵に出会った。そしてそれは私自身だった。みたいな名言もあったな。常に最大の敵は私、最大の味方も私。他人も別れた私、ホムンクルスのような世界が展開されるのでしょう。

『ところで、こういうすべての驚異を、汽車に乗るや否や、あなたは無料で得られるのだ。本当に無料でである、あなたの払ったのは運賃なのであって、渓谷や川や山などを見るための代金ではないからだ。人生にはこういう生き生きとした楽しみがたくさんある。それは一銭も金がかからないのに、人は十分にこれを享受していない。「眼を開け、楽しみを得よ」と言うために、ほとんどいたるところに、あらゆる国語で張り紙をする必要があるだろう。…宇宙全体をひとまとめにして、ひとつの瞬間から次の瞬間へと運ぶ、あの堂々とした泰然とした時間を押したりしてはいけない。p218,219』

→無料の生き生きした楽しみについて熟考しなさいと、シルバーバーチなら言うかもしれません。

最後の文の時間に関して、私は押そうと試み、押せない無力感が返ってきました。そのまま、そのまま。あるがまま。

『要するに、雲のように行き来する二つの気分のうち、一方がまず微笑することが必要なのである。微笑を始めるのが断じてあなたの方でないならば、あなたは馬鹿者にすぎない。p223』

→これも一度抜粋しています。棘のあるしかし美しい言葉。あの時微笑まなかった行為が、次微笑む原動力に繋がりますように。

『たしかに、黄色は金髪には似合わず、緑は栗色の髪に似合わない。しかし、不安や羨望や悔恨などのしかめっ面は、誰だって似合いはしない。p246』

→よい対比。例えばこの服この髪に似合わないカモ〜とか言ってるようだったら、よりしかめっ面をしないように氣をつける必要があると言うことですね。最近しかめっ面ばかりしている。。氣をつけよっと。

『まじめな話にかえろう。私は上機嫌をお勧めしたい。これこそ、贈ったりもらったりすべきものだろう。これこそ、世の人すべてを、そしてまず贈り主を豊かにする真の礼儀である。これこそ、交換することによって増大する宝物である。…親切な言葉、感謝の言葉を言うことだ。冷淡な馬鹿者に対しても親切にすることだ。あなたは、どんな小さな浜辺にまでも、この上機嫌の波のあとについて行けるだろう。ボーイは料理を尋ねるのに別な言い方をするだろう。そして、人々が椅子の間を通る仕方も変わるだろう。こうして、上機嫌の波はあなたの周囲に広がり、あらゆる物事を、あなた自身をも、軽やかにするだろう。その影響するところは限りない。p247-249』

アランの幸福論 齋藤慎子訳 を読みました。3

これも上記の記事で一度抜粋した内容。好きです、この内容。

交換して増えていくものな〜んだ?

上機嫌!!

心に留めておきたい。

そしてあなたに贈りたい、上機嫌。

『礼儀正しいとは、すべての身振り、すべての言葉によって「苛立つまい、人生のこの瞬間をだいなしにすまい」と言うか、表情で示すことである。p262』

→礼儀について議論される方たくさんあるのではないでしょうか?あいつは礼儀がなっとらん、とか。

あいつは礼儀がなっとらんと思った時に、最大に礼儀正しくあることというのは

「苛立つまい、人生のこの瞬間をだいなしにすまい」と言うか、表情で示すことである。

のかもしれません。

この本の抜粋は以上。身につまされるとてもいい本でした。

上機嫌!笑顔!

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