アラン研究。続きです。

『列車のスピードが遅いというだけでイライラする乗客がいる。しかしおもしろいことに、彼は自分が出発する前に、この新型列車は今までの列車よりも十五分早く着く、と人に説明するのに十五分かけることはいとわないのである。だれだって一日に少なくとも十五分くらい、これと似たようなことをしゃべったり、トランプしたり、ぼうっとしたりしている。そのくらいの時間を、どうして列車に乗ってただやり過ごすことができないのだろうか?075』

→時間病のパートの私に刺さる言葉。どうしてあるがままを受け入れないのか。さもありなん。

『「人が耐えなければならないのは現在だけ。過去も未来も無害である。何故なら過去はもう存在しないし、未来はまだ存在しないのだから。」ストア学派のこの主張は、全くその通りである。078』

→なんてシンプルに真実を伝えてくれるのでしょう!今、今、今!

『あれがない、これがないとこぼす人は多いが、その原因はきまって、その人たちが本気で手に入れたいと思わなかったからである。096』

→確かに!本氣で手に入れたいのなら、そういうことをこぼすのではなく、あれを得るためにはこれを得るためにはと模索するはず。。

『「やれやれまた雨だ!」と言ったって何の役にたつというのだろう。そんなことは雨にも雲にも風にも何の影響も与えない。どうせなら「やあ、ちょうどいいお湿りだ!」と何故言わないのか。それで気分もよくなるし、体全体がしゃきっとして、実際に温まってくる。喜びのちょっとしたしぐさの効果とはそういうものである。122』

→雨の時どうしても「嫌ですね」的な態度とりがち。雨にも雲にも風にも影響を与えないのに。影響を与えられそうにないものは受け入れ、褒める。いいじゃないですか!ちょうどいいお湿りだなんて誰がこんな天才的な言葉を思いついたのか。アランか。

『多くの人は味方をつくることよりも、自ら敵を育てることにばかり熱心だ。…最大の敵はいつも自分自身なのである。間違った考えや無意味な不安、がっくりくるような言葉を自分とかわすことによって。123』

→おお、深淵な言葉よ。

『実際、どんな悪口も、ちんぷんかんぷんのたわ言でしかない。そのことさえわかれば、悪口にはそもそも意味がなく、いちいち理解する必要もないことがわかるだろう。128』

→悪口を言われて傷つくことが多いかと思いますが、悪口?たわ言です。そう思うとどうでもよくなりますね!

『りっぱに人生を送ること。悪い方に感化したり、悲しみを大げさに言ったりすることで、他人や自分を傷つけないこと。さらに、すべてはつながっているわけだから、人生のちょっとした不幸について、それを話してまわったり、人に見せつけたり、大げさに吹聴したりするのはやめるべきだ。また、ほかの人に対しても、自分に対しても親切であること。人が生きていくのを手助けすること、自分が生きていくのも手助けすること。これこそが本当の思いやりなのだ。129』

→立派。悲しみを大げさにいうことで自分も傷つくのですね。大げさに自分の不幸を笑い話にするのもやめた方がよいのかしら。そう思うと多分聖者やキリストやブッダはそんな話はしないでしょうな。。

『仕事は唯一の楽しいことであり、それだけで完全な満足感が得られるのは仕事しかない。もちろんここで言っているのは、自分で自由に選んだやりたい仕事のことであり、自分の能力を発揮するのではなく、そこからまた新たな能力が生まれるような仕事のことである。ここでも、おとなしく言われるままになるのではなく、自ら行動することが重要なのだ。141』

→この一連の文章はとにかく秀逸。別に何の解説も付け足しも思いつくこともありません。

『仕事は、あらゆるものの中で最高のものであり、最悪のものでもある。自分から進んで自由に働くのであれば最高、逆に、そこに自主性がなければ最悪である。144』

→仕事について、この文章の流れもとても秀逸。綺麗な対比。

『どんなことも感謝してから受け取りなさい、154』

→この文章も面白い。私たちがよく目にする文章は「受け取ったものを感謝しなさい」この文章は逆、感謝してから受け取る。この順番の違いでかなり受ける印象が違いますね。前提として感謝がある。これ落とし込んで実践すると格段に人生が変化するかと。

『人生はワクワクする楽しいことにあふれている。お金も一切かからない。なのに、わたしたちは十分に楽しんでいない。あらゆる言語で、いたるところに、こんな標語を掲示するべきだ。「目をよく見開いて、楽しもう」169』

→素敵。こんな標識があったらウキウキになる頻度が増えそう!そして楽しいことにあふれているのなら、楽しまなきゃ損でしょうね!

『まず自分がほほえまなくて、だれがほほえむのか。自分からほほえみかけないようなら、あなたはただの愚か者である。171』

→ここまで言い切る必要はあるのか?それはまず自分からほほえんだ者のみぞ知る。

宇宙一の夫を笑わせようと変顔する宇宙一の御子。天才。

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